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2014年3月22日土曜日

IJET-25 東京プレイベントに参加しました

随分遅くなりましたが、ちょうど先週あったIJET-25 東京プレイベントの参加報告です。

今回は川月現大さん(@editech)を招いての開催でした。編集者に嫌われやすい訳文について解説してくださり、「編集者としての立場から翻訳はどう見えているのか?」を知る良い機会となったのではないかと思います。また、句読点を打つ時にもつい英文のクセが出てしまい、自然な英語からほど遠いものとなってしまうことが今回の川月さんのセミナーを通して分かり、英日翻訳における日本語の扱いの難しさを認識させられた1時間でした。

さて、お気に入りの一冊を持ち込んで、グループ内で紹介し合う「ビブリオトーク」。色々な翻訳者が紹介されるなかで、特に印象に残った本がこちら。



『アラジン・ファクター 願いをかなえる成功のランプ』です。

この本を紹介してくださったのは、校閲者としてご活躍しておられる磯崎博史さんです。日本語のプロである彼いわく、この本には翻訳書特有の翻訳調というものがなく、今まで見てきたなかで最も自然な日本語訳らしいです。英日翻訳の質の向上のためにも買う価値はあるのではないかと思います。それから、この本を翻訳された「タカ大丸」という人も気になるなあ・・


ちなみに、私がこのコーナーで紹介した本はこちら。

2014年2月25日火曜日

先日のSKITでの発表のまとめ

こんばんは^^

遅くなりましたが、先日のSKITでの発表内容をこのブログにて紹介したいと思います。

まず、先日のSKITで取り上げた2冊の本の紹介です。

1冊目は、大阪市立大学の瀬戸賢一先生によって書かれた『メタファー思考』(講談社現代新書)です。英日翻訳者にとって、稚拙な日本語は致命的です。言語学者(若干、言語哲学者寄り)の瀬戸先生が、視覚のメタファー(「見る」「分かる」)のほか、文章技巧にも触れており、日本語力のブラッシュアップにはおすすめです。 ちなみに、日本語の文章表現のことについては、同じく瀬戸先生の著書である『日本語のレトリック-文章表現の技法』のほうでより詳しく 触れています。

2冊目は、名古屋大学の籾山洋介先生によって書かれた『日本語は人間をどう見ているか』(研究社)です。このタイトルにも「日本語」を「人間」に見立てたメタファー(擬人法)が用いられていますね。そんなことはよしとして、この本では、「人間」を「植物」「鳥」「天気」「機械」「想像上の存在」に喩えたメタファーを取り上げながら、日本語独特の表現を振り返っています。


以前、某特許翻訳者が執筆した翻訳入門書に関するAmazonレビューで拝見したのですが、「翻訳者なのに日本語の使い方を知らない」といった厳しいコメントが寄せられていました。長年技術者として経験を積み、技術者から翻訳者へ転身するという人は翻訳者としては決して珍しくないですが、そのような場合、長年活字から離れていた分、日本語表現力が落ちている可能性があります。翻訳者になるには、英語力、専門知識はもちろん、洗練された日本語力も必要ですので、これらの本で日本語表現力をブラッシュアップされてみてはいかがでしょうか?

私たちは受験英語脳で鍛えられてしまうため、例えば「against」という英語を見ると、脊髄反射的に「~に対して」と訳しがちです。これは多くの翻訳初心者が陥りやすいポイントでもあります。私自身の見解ですが、こうした受験英語脳から翻訳脳への切り替えにおいて、発想を豊かにするという意味で、メタファー思考が重要な役割を担っていると言えます。

もちろん、特許文書だとか医薬関連文書だとかいった文書を翻訳する際にはメタファーはNGですが、ジャンルを問わず、雑誌(ウェブ系を含む)等で一般向けに翻訳するような場合には、論術としてのメタファーの発想が重要な意味を持つようになる、というのが先日のSKITにおける私の訴求点でした。

メタファーに関して何か面白い発見があれば、随時ここで発信していきたいと思っています。


  

2013年10月24日木曜日

日本人のちょっと面白い話は外国語に訳せるか?

はじめまして。
初めての投稿です。

先日、「日本人のちょっと面白い話は外国語に訳せるか?」に参加してきました。 これは神戸大学大学院国際文化学研究科メディア文化研究センターおよび日本語音声コミュニケーション教育研究会共催の科研プロジェクトになります。

フランス語訳・中国語訳・英語訳をめぐる「ちょっと面白い話」に関する発表の後、神戸外国語大学の山口治彦教授が語用論的立場からレビューする形で本研究会が締めくくられました。
以下、研究会のプログラム内容です。

 「ちょっと面白い話」データベースとは? 定延利之(神戸大学)
 「ちょっと面白い話」のフランス語訳をめぐって Ghislain Mouton・山元淑乃(琉球大学)
 「ちょっと面白い話」の中国語訳をめぐって 孟桂蘭・新井潤(ケラニア大学)
 「ちょっと面白い話」の英語訳をめぐって Anthony Higgins・森庸子(同志社大学)
 「ちょっと面白い話」に対するコメント 山口治彦(神戸市外国語大学)


本研究会で取り上げられた「ちょっと面白い話」は、神戸大学のメディア文化研究センターがコンテストの形式で収録・公開しているデータベースにてご覧いただけます。これは世界で唯一の音声・動画(・字幕)付き日本語発話データになります。「ちょっと面白い話」については、以下のURLより視聴できます。
http://www.speech-data.jp/kaken/chotto1.html


本研究会の司会を務められた神戸大学の定延利之教授は、「発せられる言葉の背景にある心情(あいづち等)こそ、言語コミュニケーションにとって重要な要素である」という見解を主張しており、その彼の言及は以下の著書に纏められています。言語学者によって書かれた著書ですが、内容もさほど難しくなく、一般の方でも気軽に手を取って楽しむことができる本です。勿論、通訳・翻訳者の方にもおすすめです。




今回の研究会は「日本語における笑いをいかに外国語に訳せられるか?」をテーマとしたものでしたが、意外であったのは日米語の翻訳・通訳においてユーモアが壁となり得るということはさほどないという点でした。逆に、日本語のユーモアが最も伝わりにくいとされる言語は中国語だそうです。実際、日本語のユーモアを中国人に伝わりやすくするための試みとして、以下の3つの方法が提示されていました。
①「あー」「うー」という言葉を残す。
  -だらだらとしゃべっている雰囲気を出すため。
②擬音語を訳す。
③大げさに訳す(四字成語・熟語を使う)。


今回のような研究会は定期的に実施されているそうです。
ユーモア翻訳に関心のある方にはおすすめの研究会です。



日本語音声コミュニケーション教育研究会
http://www.speech-data.jp/nihonsei/index.html